私は焼きそばが好きです。
何故なのかと問われると、あのスパイスの効いたソースの香りが好きだから、としか答えられないのですが。スパイスは本当にズルいですよね。
ただ、当然のように側にありすぎて、これまで私は焼きそばに対して無関心でありました。
日本発祥の麺料理なのに、なぜ中華麺なのか。なぜ醤油ではなくソースなのか。ここまで全国的に広まった理由は何なのか。何てこった。私はソース焼きそばについて何も知らない。
著者もそう思ってこの本を書いたのか...どうかはわかりませんが、調査をし、証拠を集め、推理していく過程はミステリのようだし、戦後日本の産業史を読んでいるよう。
賢くなりながら、少しずつ謎が解けていくのが気持ち良い。なんだこれ。すごく楽しいぞ。
いつしかソース焼きそばの謎に対する好奇心のみで読み進んでいましたが、
話が進むにつれて、子供の頃、昼食に母が作ってくれた思い出、祭りの屋台、夏休みの市営プールなどなど、たくさんの思い出が蘇って、あたりにソースの匂いが立ち込めているような気がしてきます。(幻覚)
焼きそばスタートで、どうして「関税自主権」や「東武鉄道」がキーワードとして出てくるのか。まったく想像していなかった世界が広がりますよ。
それと、これはとても大切なことなのですが、無性にソース焼きそばが食べたくなる本ですので、焼きそばを買ってからお読みになるのが良いかと思います。



